ファミリーどうぶつクリニック

どうぶつさんは大切な家族・・・ ファミリーどうぶつクリニックは無理のない診療を心がけています・・・ 

犬フィラリア病
Canine Filaria Disease.

簡単にファミリ-どうぶつクリニックの
フィラリア予防方法を知りたい方はこちら

                            update:10.May.2014

<簡単な病気の説明>

犬のフィラリア病は長さ20cmくらいの素麺状の寄生虫が犬の心臓に入り込む病気です。
寄生虫は犬の心臓の中で血液の流れを邪魔します。
またそれだけでなく肺に向かう血管の中に大きな障害をひきおこし
循環器系に大きな損傷をあたえます。
この病気になるとこの寄生虫を薬で殺すか、手術で取り除く以外に治療方法はありません。
また、寄生虫によって受けた損傷を改善する心臓の薬などの内科治療も必要です。
現実には一部の治し易い病状を除くと致命的な病気と言えます。

<犬フィラリア病の現状>

最近は予防が普及し、外飼いの犬も少なくなりまた衛生環境も改善して蚊も少なくなりました。
そのため犬フィラリア病は現在では珍しい病気になりつつあります。
と言ってまったく病気がなくなったのではありませんので予防は必要と思って下さい。

猫にもこの病気が移り急性心不全をおこします。
そのため猫にも予防を勧める獣医さんもいるようです。
予防効果はありますが肝腎の犬の病気が珍しい今に本当に必要かは私にはわかりません。
もちろん、犬フィラリア虫が人間への寄生がある事も知られていますが
人間がこの病気の予防すると言う話は聞いたこともありません。

<病気のうつり方>

病気の犬に寄生したフィラリア親虫は犬の血液中に顕微鏡で見ないとわからない小さな虫を大量に産みます。
この虫は大きくならないまま病気の犬の血液の流れに乗って約2年間の寿命を過ごします。
小さな虫をミクロフィラリアと呼び病気の簡易検査では顕微鏡でこの虫を探します。
この小さな虫が犬の血を吸いに来た「蚊」に吸われると親虫になる感染仔虫に変わります。
蚊の身体の中で育った感染仔虫は蚊が犬の血を吸っている間に犬の身体に入りこみます。
小さな虫は犬の身体の中で育って最後に血液の流れに乗り右側の心臓に寄生します。

<治療方法>

先に話したとおり、虫を取り除くのが最善の方法です。
手術はレントゲンモニターを見ながら頸から機械を心臓に入れて虫をとります。
その昔は胸を開いて心臓を見ながら機械で虫を取りましたが今はこの方法は少ないようです。
虫を殺す薬があり今でも親虫を殺す方法が取ることができます。
この方法では死んだ虫が出る場所がなく肺へ行く大きな血管に詰まる重大な問題が出る事があります。
この危険性のために簡単な方法ですがあまり用いられません。

結局、犬フィラリア病は治すことの難しい病気でそれより「予防」が重要と言えます。

<予防方法>

現在使われている予防方法はたった一種類です。
イバメクチン類の抗生物質を蚊のいる期間中投薬する方法です。
投薬方法は蚊が出始めてから一ヵ月後から蚊がいなくなって一ヵ月後まで毎月一回内服する方法と
一年に1〜2回注射で投与する方法があります。

◎内服予防

内服薬はイベルメクチン・モキシデクチン・ミルベマイシンなど幾つかの派生型があります。
名称は違いますがイバメクチンとその改良派生型の線虫類用抗生物質です。

イベルメクチンは一番昔からあるお薬でカルドメックという名称で使われています。
 現在では開発特許がきれて安価なジェネリック薬も何種類も出ています。
モキシデクチンは既にフィラリア寄生をしている犬にも副作用が少なく使えるそうです。
ミルベマイシンは三共製薬が開発し2008年まで発売元でした。
一番新しい薬でフィラリア病の予防の他に腸内寄生虫の駆除ができます。
2009年からはノバルティスと言う外資系の大きな会社が取り扱っています。

私のクリニックでは内服は大きな会社製の一番新しい「ミルベマイシン」をお勧めしています。
*ミルベマイシンも同名のジェネリック製品が発売されました。
 私どもはノバルティス社製のものを使用しています。

◎注射予防

注射で投与するお薬はモキシデクチンです。
注射用モキシデクチンは薬を注射ができるよう微細な沢山のカプセルに入っています。
注射後、薬が少しずつ放出され長期に効果があるように加工されています。

このモキシデクチンの注射は二種類あります。
アメリカや日本で発売されているのがモキシデクチンSR−6です。
この薬の効果は6ヶ月で一年2回注射が必要です。
もう一つ、オーストラリアで使われているのはプロハートSR−12です。
これは便利で一年にたった一回の注射でフィラリア症を予防できます。

日本で発売されているモキシデクチンSR−6は多くの副作用が報告されており利用が少なくなりました。
それに対してPro-HeartSR−12は効果期間が長く、副作用がほとんどないと言われています。

Pro-HeartSR−12は従来オーストラリア製を海外調達していたのですが
2012年秋からファイザー社が日本国内販売認可を取得し、日本国内で入手できるようになりました。
それにともなってか海外からの入手が難しくなりました。(入手は合法ですが事実上締め出し状態)
日本で手に入る物をなぜ?と思う方が多いと思います。理由は簡単で高い!海外価格の数倍?します。
その分、飼い主さんの経済的負担が増すことになります。

・・・当クリニックはどなたにでも安心して受けられる料金設定をしておりましたので困っています。

<ファミリーどうぶつクリニックでのお勧め>

内服薬は「ミルベマイシン」をご用意しています。
新しい薬で大きな会社が作っている安心感がちがいます。
また安全性の高さと作用の確実さもお勧めできます。

注射は簡単に予防のでき安全性と投薬漏れのない確実性が利点です。
「プロハート12」と言う一年に一回の注射予防があります。
この薬は2013年に日本の農林省に認可を受け日本国内販売が始まりました。
内服を嫌う特別な犬などに利用する事があります。
投薬は確実に行われ効果も12ヶ月有効で予防接種のような感じで利用できます。
先進利用国のオーストラリアでは十分な安全性も確認されています。
しかし日本国内薬価が大変高く(海外調達のおよそ3倍)飼い主さんの経済的負担が増えると思われます。

内服薬は気候の温暖化のため蚊のいる期間が長くなりました。
昨年までは7ヶ月が標準期間でしたが八ヶ月必要な方も増えています。
内服は8回目は追加費用がかかります。

<予防費用>

フィラリア予防費用は体重別に分かれています。
もうフィラリア病の予防は十分に浸透して大変稀な病気になりつつあります。
2012年からはお薬の調達を工夫してリーズナブルな料金にしました。
予防薬7回分ともにリーズナブルな費用で提供します。(税別)

注射予防薬は薬価に反映しにくい小型犬にお勧めしています。
大型犬の注射予防は料金的にはお勧めしにくく内服薬予防がよいと思います。

犬フィラリア症の注射予防薬は一年間の効果があります。
そのためワクチン接種のように一年に一回の注射を受けていただけば
最初の時期はいつでも良い事になります。

この12ヶ月有効のお薬が出るまでは犬フィラリア症予防は
いわゆる季節商品だったのですが、
通年いつでも利用できるものに代わりました。

とは言え、私は「あれをせいこれをせい」と
飼い主さんに強制や営業をするのは嫌ですから
現在は売れ残り無駄を出さないよう季節品扱いをしています。

*飼い主さんに十分な知識・情報をお知らせするのと
 いわゆる営業とはちがいます。
 飼い主さんにこれをご理解いただけたらと思っています。

内服薬は一シーズン7回分一括で割引料金を表示しています。
一回分ずつ処方もできますが割高になります。

2013年は内服予防薬・注射予防薬共に昨年と同じ料金で提供します。
注射予防の大型犬以上は若干の割増料金が必要です。
2014年は薬の仕入れ価格高騰のため最低限の価格改正を予定しています。

内服薬はいわゆるジェネリック医薬品を利用し低料金を提供する事が出来ます。
しかし、大手製薬会社の対応や情報提供は私どもにも患者様にも安心ができます。
当クリニックはフィラリア予防は 大手一流製薬会社製の安心できるお薬を「リーズナブル料金」で提供していきます。

<事前検査>

犬フィラリア症予防薬を始める前に血液検査の必要性が言われています。
ファミリーどうぶつクリニックでは次のような基準で投薬を始めています。

◎1歳未満で夏を外で長期過ごしていない犬
◎例年、体重にあったお薬を決められた期間投薬されている犬は
血液検査が必要でなく予防に入る事ができます
最近の薬は大変優秀で飼い主が意識して飲ませないなどがない限り
きちんと予防薬を使っているとフィラリア病はうつる事がないと思います。

◎予防をした事がない、または予防歴が不明の成犬は血液検査が必要です。
この検査の目的は万が一フィラリアにうつっていた時に治療をするか
またこのまま予防に入るか、予防薬の安全なものを選ぶ目的で行います。
顕微鏡で血液中の子虫を探す方法と虫の抗原価を測定する方法を併用します。
この両方の検査で100%に近く病気の有無がわかります。

毎年指示とおりお薬をご利用くださる飼い主さんに
もし病気がうつっていると困るからと血液検査を強制するのは
自分的には矛盾?かな〜と思っています。
病気が万が一発見された場合、薬が効いていないと飼い主の方から文句を言われそうです。
そうすると、ちゃんと飲ませていなかったと逆に飼い主に責任転嫁?・・・

今のフィラリア予防薬は十分に効果の高いお薬です。病気がうつる可能性はゼロに等しいです。

また、万が一フィラリアが発見されたとしても予防は継続されます。
その時に予防薬で副作用が発現する事は新しいお薬では通常ありえません。
いわんや「ショック死」するなどとは通常起こるとは考えられません。

<ご注意>

フィラリア注射予防は日本では副作用報告のあるSR−6が使われています。
当クリニックではこのお薬を使用はいたしておりません。

<安全性>
このお薬に限らず、すべてのお薬が100%安全とは言い切れません。
現在使われているフィラリア予防薬で
私どもでも何十年もの間にわずかですが顔が腫れるなどの副作用を見ています。
これらの反応は他の薬やワクチン類に比べるとはるかに低いと認識しています。
現在の犬フィラリア予防薬は
ちゃんとした事前検診や方法で投薬すると安全性の高い薬と考えられます。

<コンテンツ>
ファミリーどうぶつクリニックの歴史
動物病院を選ぶ前に
どうぶつクリニックのトレビアの泉
獣医さんのちょっとブレイク

表紙に戻る